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手当て

先日タッチケアの指導者講習会に参加してきました。
タッチケアはふれあうことで母と子の絆を深めましょう、というのがその大きな目標です。
以前ご紹介しました通り火曜日には慈恵医大の母子センターで月2回開催しています。
難しい手技が必要ではないのです。大切なのは慌ただしい育児の日々のなかでわずかでもこどもと向き合うゆったりした時間を持つことなのではないかと思っています。
タッチケアはハイハイする頃までの赤ちゃんを主に対象にしていますがその本来的な意味からは、大きくなってもだっこするのには大き過ぎるように思える小学生にでも触れてあげることは大切、ということが講習会で話題になりました。
例えば「チチンプイプイ痛いの痛いの飛んでいけ!」と転んだ子供の膝をなでてあげると笑顔が戻るように、お母さんの手は子供にとって魔法のような力を持っているのですから。
医師としても的確な診断と的確な処方は言うまでもありませんが、それだけではなく、お子さんの苦痛を癒す、つまり手当てをする心をいつも持ち合わせていたいと思います。

こどもの表情とお母さんの観察眼

小児科医の診察は、診察室に患者さんが一歩足を踏み入れたときから始まります。
自分の病状を説明できないこどもたちから少しでも多くの情報を得るためです。
こどもの表情を読み取るのが小児科医の仕事といっても過言ではないかもしれません。
先日も生後2ヶ月の赤ちゃんの便秘の相談を受け、綿棒で刺激してあげることになりました。ほかにも治療方法はありましたが、今後同じようなことがあった 時、毎回受診しなくてもお母さん自身で対処出来るようになった方がよいのでは、という考えからお母さんと一緒に処置をしていました。
2ヶ月の赤ちゃんはまだ表情は多様ではありません。処置後、かすかな表情の変化から私としては内心「よかった、楽になったみたいだな」と感じていたところ、お母さんも「やる前と全然違う顔つきになりました。よかった。」との感想がありました。「お母さんにもわかったのだな」と、この新米お母さんをたいへん頼もしく思いました。

このようなことからも、私自身も細心の注意をもって診察にあたりますが、お子さんのことを一番よくわかっているお母さん方の話にはどのようなときも真剣に耳を傾けるように心がけています。